2012.07/11 [Wed]
素敵なラブレター。
天国のあなたへ 秋田県 柳原タケ
娘を背に日の丸の小旗を振ってあなたを見送ってから
もう半世紀がすぎてしまいました。
たくましいあなたの腕に抱かれたのはほんのつかの間でした。
三十二歳で英霊となって天国に行ってしまったあなたは
今どうしていますか。
私も宇宙船に乗ってあなたのおそばに行きたい。
あなたは三十二歳の青年、私は傘寿を迎えている年です。
おそばに行った時おまえはどこの人だなんて言わないでね。
よく来たと言ってあの頃のように寄り添って座らせてくださいね。
お逢いしたら娘夫婦のこと孫のこと
またすぎし日のあれこれを話し思いきり甘えてみたい。
あなたは優しくそうかそうかとうなずきながら慰め、
よくがんばったとほめてくださいね。
そしてそちらの「きみまち坂」につれていってもらいたい。
春のあでやかな桜花、
夏なまめかしい新緑、
秋ようえんなもみじ、
冬清らかな雪模様など、
四季のうつろいの中を二人手をつないで歩いてみたい。
私はお別れしてからずっとあなたを思いつづけ
愛情を支えにして生きてまいりました。
もう一度あなたの腕に抱かれてねむりたいものです。
力いっぱい抱き締めて絶対はなさないで下さいね。
秋田県二ツ井町の「きみまち坂」の四季を織り込んだこの文は、
二ツ井町が主催した1995年2月14日バレンタインデー
「第1回日本一心のこもった恋文」
大賞に輝いた柳原タケさんが書いたものでした。
柳原さんは当時80才(実は81才)で秋田市に住んでおられました。
美しく、胸に抱き続けてきた想いが、
文字のひとつひとつに息づいていて、
『愛』
このひとことに尽きますね。
スポンサーサイト
NoTitle
半世紀にわたる時の流れにも
色あせることの無い”愛”に涙しました
素敵な詩を有難うございます